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2026.11.02
外国人が日本の不動産を購入する際の税金と手続き|不動産取得税・登録免許税・固定資産税と2026年の外為法報告・登記の国籍申出

外国人が日本の不動産を購入する際の税金は、取得時の「不動産取得税」「登録免許税」、保有中の「固定資産税・都市計画税」、売却時の「譲渡所得税」が基本です。日本には外国人であることを理由に購入を制限したり、税率を上乗せしたりする一般的な制度はありませんが、2026年は手続き面で変化がありました。外為法に基づく非居住者の不動産取得報告は2026年4月1日から目的を問わず原則報告対象となり、10月5日からは所有権の登記申請時に新たな所有者の国籍等の申出が求められています。本稿では、海外投資家が日本で不動産を購入する際の税金と手続きを、公的資料をもとに整理します。
1. 購入時にかかる税金
1-1. 不動産取得税(都道府県税)
課税標準は固定資産評価額で、本則税率は4%です。土地と住宅については、2027年3月31日まで税率を3%とする特例があり、宅地は課税標準を2分の1とする特例もあります(国土交通省「土地の取得に係る税制の概要」)。
住宅には、新築住宅で1,200万円を控除するなどの課税標準の特例があります(同)。適用には床面積などの要件があるため、物件ごとの確認が必要です。
1-2. 登録免許税(国税)
売買による所有権移転登記の本則税率は2%です。土地の売買については、令和8年度税制改正で軽減税率1.5%の適用期限が2029年3月31日まで3年延長されました(国税庁、財務省「令和8年度税制改正の解説」)。
住宅用家屋の所有権移転登記は、市区町村長の証明書を添付するなどの要件を満たせば0.3%に軽減されます(適用期限は2027年3月31日まで、国税庁)。
1-3. 購入時の源泉徴収に注意(売主が非居住者の場合)
非居住者や外国法人から日本国内の土地・建物を購入する場合、買主は代金の支払時に10.21%の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。個人が自己や親族の居住用に購入し、対価が1億円以下の場合は不要です(国税庁タックスアンサーNo.2879)。
2. 保有中にかかる税金
固定資産税:毎年1月1日時点の所有者に課され、標準税率は1.4%です。住宅用地は、200㎡までの小規模住宅用地で課税標準が価格の6分の1、それを超える部分で3分の1となります(国土交通省「土地の保有に係る税制」)。
都市計画税:市街化区域内などの土地・家屋に課され、制限税率は0.3%です(同)。
賃貸収入:非居住者等に国内不動産の賃料を支払う者は、原則として20.42%を源泉徴収します。個人が自己や親族の居住用に借りる場合は不要です(国税庁タックスアンサーNo.2880)。
海外に住む所有者は、納税通知書の受取りや申告のために納税管理人を定めておくのが一般的です。
3. 売却時にかかる税金
個人が土地・建物を売却した場合の譲渡所得は、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えれば長期譲渡所得(所得税15%・住民税5%)、5年以下なら短期譲渡所得(所得税30%・住民税9%)です。所得税額にはさらに2.1%の復興特別所得税がかかります(国税庁タックスアンサーNo.3208、No.3211)。
2026年中の売却では、2020年12月31日以前に取得した物件が長期、2021年1月1日以後の取得が短期となります(国税庁「暮らしの税情報」)。
2027年分以後は、復興特別所得税に加えて防衛特別所得税が課される予定と国税庁が案内しています(同)。
4. 2026年に変わった手続き
4-1. 外為法の事後報告の拡大(2026年4月1日施行)
非居住者が日本の不動産やこれに関する権利を取得した場合、取得後20日以内に日本銀行経由で財務大臣へ報告書を提出します。金額や面積の大小は問いません(財務省)。
従来は居住用・事務所用などの取得は報告不要でしたが、4月1日以降は目的を問わず不動産の取得自体が報告対象になりました。報告事項には取引の相手方、取得の目的、不動産番号が加わっています(財務省リーフレット、2026年6月)。
別荘やセカンドハウスは居住用目的に当たらないとされ、報告を怠ったり虚偽の報告をしたりした場合は罰則の対象となります(財務省FAQ)。不動産仲介業者などの居住者代理人による提出も可能です。
4-2. 登記申請時の国籍等の申出(2026年10月5日施行)
所有権の保存・移転登記などを申請する際、新たに所有者となる個人は、氏名・住所・生年月日などの検索用情報に加えて国籍等を申し出る必要があります。日本人も対象で、国籍情報は登記簿には公開されず内部情報として保有されます(法務省)。
外国籍の場合、国籍を証する情報としては住民票の写し、旅券、在留カードなどが挙げられています(同)。
2026年4月1日からは住所等の変更登記も義務化されました。海外居住者は職権による変更登記の対象外のため、変更から2年以内に自ら申請する必要があります(同)。
海外投資家・日本進出企業にとってのポイント
購入費用の見積もりでは、物件価格に加えて不動産取得税・登録免許税・仲介手数料・司法書士報酬などを織り込み、保有中は固定資産税・都市計画税と管理費を毎年のコストとして計上することが重要です。
非居住者として購入する場合は、外為法の事後報告(取得後20日以内)と登記時の国籍等の申出が必要になります。売主が非居住者の場合は、買主側に源泉徴収義務が生じる点にも注意が必要です。
個人名義か法人名義かで、税率や承継時の扱いが大きく変わります。購入前に税理士・司法書士などの専門家と、保有目的と出口戦略を含めて検討することをおすすめします。
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出典
国土交通省「土地の取得に係る税制の概要(参考)」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000072.html
国土交通省「土地の保有に係る税制」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000073.html
国税庁「土地の売買や住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ」(2026年4月) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0020003-124_01.pdf
財務省「租税特別措置法等(登録免許税関係)の改正」(令和8年度税制改正の解説) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/explanation/PDF/p0724-0738.pdf
国税庁 タックスアンサーNo.2879「非居住者等から土地等を購入したとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2879.htm
国税庁 タックスアンサーNo.2880「非居住者等に不動産の賃借料を支払ったとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2880.htm
国税庁 タックスアンサーNo.3208「長期譲渡所得の税額の計算」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
国税庁「暮らしの税情報:土地や建物を売ったとき」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm
財務省「外為法に基づく『本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得に関する報告書』の提出」(2026年6月) https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/gaitame_kawase/real_property/real_property_leafletJ.pdf
財務省「よくあるご質問(FAQ)」 https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/gaitame_kawase/real_property/FAQ_J.pdf
法務省「検索用情報の申出について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00678.html
画像:FinGroup オリジナル
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