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2026.10.27
日本の不動産ウォッチ|千代田区が個別マンションに初の「5年転売禁止」要請、国外居住者の新築取得割合は15.4%
東京都千代田区が、個別の新築分譲マンションに対して初めて「5年間の転売禁止」を要請します。日本経済新聞(2026年10月26日)によると、対象は三菱地所レジデンスなどが区内で計画し、都の制度で容積率の緩和を受けるマンションです。一方、国土交通省が9月に公表した調査では、2025年に千代田区で新築マンションを取得した人のうち「国外に住所がある者」の割合は15.4%と、23区で最も高い水準でした。要請の内容と背景データ、東京都心での不動産取得を検討する海外投資家・企業にとってのポイントを整理します。
1. 千代田区の要請内容
千代田区は2025年7月18日、一般社団法人不動産協会に対して次の2点を要請しています(同区プレスリリース)。
引渡し後原則5年間の転売禁止:総合設計などの都市開発諸制度を活用する事業および市街地再開発事業(これから許認可等を受ける事業)で販売するマンションには、購入者が引渡しを受けてから原則5年間は転売できない特約を付すこと。
同一名義による複数購入の禁止:上記の事業で販売するマンションについて、同一建物で同一名義の者が複数の住戸を購入することを禁止すること。
区は、住宅価格の高騰が続き、国外からの投機目的の取引が行われていると考えられること、居住実態のない住戸の増加が管理組合の運営に支障をきたすおそれがあることを背景に挙げています。あわせて、国や都に対し、短期転売時の譲渡所得税の引上げなどの施策を求めるとしています。今回はこれを個別物件に対して働きかける初のケースと報じられています。
2. データ:国外居住者による新築マンション取得割合
国土交通省は2026年9月15日、不動産登記情報を活用した調査結果(2018年1月〜2025年12月に登記された新築マンション約57万戸が対象)を公表しました。2025年1〜12月に国外に住所がある者が新築マンション(保存登記)を取得した割合は次のとおりです。
東京都 2.5%(2025年1〜6月は3.0%、2024年は1.5%)
東京23区 2.8%、都心6区 5.9%
千代田区 15.4%(2024年は6.2%)、渋谷区 11.1%、新宿区 9.5%、港区 5.0%
大阪府 3.4%、大阪市 5.5%、京都府 2.2%
国交省は、割合はその年にどのようなマンションが供給されたかによって大きく変動するとしています。また、都心6区で購入されている物件の7割以上は2億円未満で、国外居住者が2億円以上の高額物件を活発に購入している傾向は特に見られないとしています。日本経済新聞(共同)によると、23区での取得者の国・地域は台湾が最多で、英国、中国、シンガポールが続き、取得者には海外在住の日本人も含まれます。
3. 海外投資家・企業にとってのポイント
出口の時期を先に確認:転売制限の特約が付いた新築マンションでは、原則5年間は売却できません。短期売却を前提とした資金計画は見直しが必要で、契約前に重要事項説明と特約の内容を確認することが重要です。
同一名義での複数取得は不可に:対象物件では、同じ名義で同一建物の住戸をまとめて取得することはできません。個人名義と法人名義の税制の違いは日本の投資用不動産、個人名義と法人名義の違いで整理しています。
政策の動きに注目:千代田区は短期転売への課税強化などを国・都に求めており、国も登記情報による実態把握を続けています。賃料収入を目的とした長期保有や、企業の自社利用・社宅需要への影響は相対的に限られるものの、取引条件に制約が付くケースは増える可能性があります。
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出典
日本経済新聞「東京都千代田区、三菱地所系マンションに5年転売禁止要請 個別物件で初」(2026年10月26日)
千代田区「千代田区内の投機目的でのマンション取引等に関する要請について」(2025年7月18日プレスリリース)
国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引の調査結果を公表」(2026年9月15日)および別紙
日本経済新聞(共同)「国外居住者の新築マンション取得、東京2.5%大阪3.4% 国交省が公表」(2026年9月)
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アイキャッチ写真:Samuele Schirò(Pixabay)/ Wikimedia Commons、CC0(トリミング・文字入れ加工)。
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