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2026.11.05
日本の子会社と支店の違いは?設立・登記・税務・責任範囲を比較|海外企業の日本進出スキーム選定

海外企業が日本で営業活動を始めるとき、拠点形態の中心候補は子会社(日本法人)と支店(外国会社の日本における営業所)です。ジェトロによると、子会社は日本法に基づく独立した法人格を持ち、株主の責任は原則として出資額を限度とします。一方、支店は外国会社そのものの一部であり、独立した法人格はなく、本店(外国法人)が支店の債務について責任を負います。登記・税務・外為法上の届出も異なるため、子会社と支店の違いを設立前に整理することが日本進出スキーム選定の第一歩です。本稿は会社法、法務省の外国会社登記案内、国税庁の公表資料、ジェトロの拠点比較に基づき要点をまとめます。
1. 法人格・責任範囲・よくある形態
- 子会社:日本の会社法に基づき設立する株式会社または合同会社などが典型です。親会社とは別の法人格を持ち、債権者に対する株主(社員)の責任は原則として出資額を限度とします(ジェトロ「拠点形態の比較」)。
- 支店:外国の法令に準拠して設立された外国会社(会社法第2条第2号)が、日本で継続して取引を行うための営業所です。支店自体に独立の法人格はなく、本社の責任に限度額はありません(同ジェトロ表)。
- 実務上、本格的な営業・採用・許認可を見据える場合は子会社、まずは本社名義で比較的簡易に拠点を置く場合は支店が検討されやすいです。信用力や契約当事者の扱いでは差が出ることがあります(一般論)。
2. 設立・登記:外国会社の代表者と営業所
- 外国会社が日本で継続して取引をしようとするときは、日本における代表者を定め(うち一人以上は日本に住所を有する者)、外国会社の登記をする必要があります。登記をするまでは継続取引ができません(会社法第817条・第818条。法務省「外国会社の登記を忘れていませんか?」)。
- 日本における代表者を定めた日から原則3週間以内に登記申請が必要です(会社法第933条)。営業所を置く場合は営業所所在地を管轄する登記所、置かない場合は代表者の住所地を管轄する登記所へ申請します(法務省案内)。
- 子会社は定款作成・出資払込み・設立登記など日本法人としての設立手続が必要です。形態の詳細はFinGroupの会社設立解説もご参照ください。
3. 税務・外為法・実務上の留意点
- 内国法人(子会社)は、原則として各事業年度の所得(国内外を含む)が法人税の対象となります。一方、外国法人については、原則として日本の国内源泉所得が課税対象です(国税庁タックスアンサーNo.2878等)。日本支店は恒久的施設(PE)を通じた事業に係る所得等が問題となります(法人税法141条の枠組み。詳細は税理士確認)。
- 支店設置や子会社の設立・取得は、業種により外為法上の対内直接投資の事前届出または事後報告の対象となり得ます。指定業種では原則約30日の待機期間が必要です。詳細はFinGroupの外為法解説をご参照ください。
- 銀行口座、賃貸契約、業法上の許認可は、契約当事者が「日本法人」か「外国会社(支店)」かで実務対応が分かれます。可否を一律に断定せず、取引先・許認可庁・金融機関の要件を個別確認してください。
海外投資家・日本進出企業にとってのポイント
- 責任の遮断を重視するなら子会社、本社一体運営と初期の簡素さを重視するなら支店、という整理が出発点です。
- 支店を選ぶ場合は、日本における代表者(住所要件)と外国会社登記を、営業開始前に完了させるスケジュールが不可欠です。
- 税務は「全世界所得か国内源泉所得か」、外為法は業種ごとの届出類型を、設立前のチェックリストに入れてください。
FinGroupは、日本進出、日本での資金調達、クロスボーダーM&Aに取り組む企業・金融機関向けにIR・PR・FAサービスを提供しています。詳しくは投資銀行事業および金融メディアThe 3%をご覧いただくか、お問い合わせフォームよりご連絡ください。法人形態の詳細は日本で会社設立|株式会社と合同会社の違い、対内直接投資は外為法の対内直接投資とは?事前届出・事後報告の手続きと待機期間、買収スキームは株式譲渡と事業譲渡の違いもご参照ください。
出典
- ジェトロ「1.2 拠点形態の比較」(支店と子会社の法的性質) https://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section1/page2.html
- 法務省「外国会社の登記を忘れていませんか?」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00275.html
- 会社法(e-Gov法令検索)第2条・第817条・第818条・第933条 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086
- 国税庁タックスアンサーNo.2878「国内源泉所得の範囲」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2878.htm
- 財務省「対内直接投資審査制度について」 https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/gaitame_kawase/fdi/index.htm
画像:FinGroup オリジナル
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