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2026.10.28
経営・管理ビザの新基準とは?資本金3,000万円・常勤職員・日本語能力など5つの要件と施行1年の審査動向
外国人が日本で会社を設立・経営する際に必要な在留資格「経営・管理」(いわゆる経営管理ビザ)の許可基準は、2025年10月16日施行の省令改正で大きく見直されました。資本金等は500万円から3,000万円に引き上げられ、常勤職員1名以上の雇用、日本語能力、経営経験または学位、専門家による事業計画の確認が新たに求められています。朝日新聞によると、出入国在留管理庁は2026年10月16日、同資格で2026年1〜6月に新規入国した外国人が635人と、前年同期比で約8割減少したと発表しました。本稿では、施行から1年を迎えた新基準の要点と、日本進出を検討する海外企業・起業家が準備すべき事項を整理します。
1. 経営・管理ビザとは
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「経営・管理」は、日本で貿易その他の事業の経営を行い、またはその事業の管理に従事する活動を対象とする在留資格です(出入国在留管理庁)。
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新たに会社を設立して代表者となる場合だけでなく、既存の日本法人の経営者・管理者として活動する場合も対象です。出入国在留管理庁のQ&Aでは、管理者として活動する場合も資本金等の要件を満たす必要があるとされています。
2. 新基準の5つの要件(2025年10月16日施行)
2-1. 資本金等3,000万円以上
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法人の場合は、株式会社の払込済資本の額(資本金の額)、または合名・合資・合同会社の出資の総額で判断します(出入国在留管理庁)。
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同庁Q&Aによると、資本準備金や利益剰余金は含まれず、法人の場合は従業員の給与や事務所の維持費を合算することもできません。複数の会社を経営する場合も、いずれか1社が3,000万円以上である必要があります。
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個人事業主の場合は、事業所の確保、職員の給与(1年分)、設備投資経費など、事業のために投下されている総額で判断します。
2-2. 常勤職員1名以上の雇用
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対象となる常勤職員は、日本人、特別永住者、および「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格を持つ外国人に限られます(出入国在留管理庁)。
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同庁Q&Aは、常勤性の判断材料として、週5日以上かつ年間217日以上・週30時間以上の勤務、雇用保険の被保険者であることなどを挙げています。在籍出向・派遣・請負の形態は常勤職員と見なされません。
2-3. 日本語能力(B2相当)
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申請者または常勤職員のいずれかが、「日本語教育の参照枠」のB2相当以上の日本語能力を有する必要があります。この要件における常勤職員には、就労系の在留資格を持つ外国人も含まれます(出入国在留管理庁)。
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確認方法として、日本語能力試験(JLPT)N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上、中長期在留者として20年以上の在留、日本の大学等の卒業などが示されています。
2-4. 経営経験3年以上または修士相当以上の学位
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経営・管理について3年以上の経験、または経営管理もしくは事業分野に関する博士・修士・専門職学位(外国の学位を含む)が必要です。起業準備のための「特定活動」の期間も経験に含まれます(出入国在留管理庁)。
2-5. 専門家による事業計画の確認
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新規の事業計画書について、具体性・合理性・実現可能性を評価するため、経営に関する専門的な知識を有する者の確認が義務付けられました。施行時点では中小企業診断士、公認会計士、税理士が該当します(上場企業相当規模の場合等を除く)。
3. 施行から1年の運用状況
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申請の大幅減:政府の関係閣僚会議資料によると、在留資格認定証明書の交付申請件数(概数)は、改正前(2025年5月1日〜10月15日)の月約1,700件から、改正後(2025年10月16日〜2026年3月31日)は月約70件と、約96%減少しました(内閣官房)。
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新規入国は約8割減:2026年1〜6月に「経営・管理」で新規入国した外国人は635人で、前年同期比約8割減でした(朝日新聞、出入国在留管理庁発表)。
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事業実態の調査強化:同資料によると、同一ビルに小規模事務所が集中するケースなどについて2025年5月から集中的な実態調査が行われ、事業実態が認められない場合は更新不許可や在留資格取消手続がとられています。また、国税庁から出入国在留管理庁への納税義務違反に関する情報提供の範囲拡充が2026年7月1日から運用されています(内閣官房)。
4. すでに「経営・管理」で在留している場合の経過措置
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改正前から在留している人は、施行後3年(2028年10月16日)までは、新基準を満たさないことのみを理由に更新が不許可とされることはありません(出入国在留管理庁)。
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その後の最初の更新申請以降は原則として新基準への適合が求められますが、経営状況や法人税の納付状況等を総合的に考慮して判断され、資本金等が3,000万円に満たないことのみで一律に不許可とはしないとされています。
海外投資家・日本進出企業にとってのポイント
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日本での起業・拠点設立を検討する際は、資本金3,000万円の払込みと資金の出所の説明、常勤職員の採用計画、日本語対応体制を、会社設立前の段階から一体で設計することが重要です。
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事業計画書は専門家の確認が必要となったため、売上・費用・採用・資金繰りの前提を数値で示し、実現可能性を説明できる計画にしておくことが求められます。
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海外法人が日本法人を設立・出資する場合は、外為法上の届出・報告の要否も確認が必要です。既存の日本企業への出資や買収という選択肢を含め、進出形態を比較検討することをお勧めします。
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すでに在留している経営者は、2028年10月までの経過期間中に、新基準への対応方針と納税・社会保険の履行状況を点検しておくと安心です。
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出典
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出入国在留管理庁「在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html
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出入国在留管理庁「「経営・管理」許可基準に係る見直しについて(令和7年10月16日施行)」 https://www.moj.go.jp/isa/content/001448231
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出入国在留管理庁「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan43
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内閣官房 外国人材に関する関係閣僚会議(第3回)資料2 https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/gaikokujinzai/kakuryokaigi/dai3/shiryo2.pdf
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朝日新聞「「経営・管理」の外国人、新規入国8割減 新要件は適正?厳しすぎ?」(2026年10月16日) https://www.asahi.com/articles/ASVBH2HJCVBHUTIL024M.html
画像:FinGroup オリジナル
免責事項:本記事は公開情報をもとに作成した情報提供のみを目的とするもので、特定の在留資格申請の可否を保証するものではなく、法務・税務・投資に関する助言を行うものでもありません。制度の運用は変更される場合があります。個別の申請・手続については、出入国在留管理庁の最新情報をご確認のうえ、行政書士・弁護士等の専門家にご相談ください。